抵当権抹消登記の委任状の電子印影について。

三菱UFJローンビジネス株式会社及びダイヤモンド信用保証株式会社が発行する担保権の登記の抹消に係る委任状への押印の取扱いについて
(通知)
法 務 省 民 二 第 5 7 号 令 和 6 年 1 月 2 4 日
これによって下記の照会が認められ、法務局長及び地方法務局長に通知がされました。

【※原文を読みやすいよう編集しています。】
 さて、不動産登記申請を行う場合に必要な書類には登記権利者又は登記義務者の代表社印の押印が必要ですが、弊社らが保有する債権は2023年10月末現在で約74万件あり、また、そのうち担保権抹消登記だけでも年間約5万件という膨大な量となるため、登記関係書類すべてに押印を行うのは事務手続上および体力上困難を極めるところです。
 つきましては、原則として、弊社らが作成する不動産の担保抹消登記のための委任状につきましては、代表者印の押印に代えて、当該代表者印の印影を弊社らがそれぞれ業務上使用する電子計算機に登録し、この印影を当該担保権抹消登記用委任状に印刷したものを、法務局又は地方法務局に提出させていただく取扱いとして差し支えないか照会します。

法 務 省 民 二 第 58 号 令 和 6 年 1 月 2 4 日 (回答)
照会のあった件については、貴見のとおり取り扱われて差し支えありません。

過去にも同様の先例があります。

法務省民二第2641号(民二2640) 平成21年11月2日 
独立行政法人住宅金融支援機構

法務省民二第853号(民二852) 平成24年3月3日
独立行政法人福祉医療機構

もともと抵当権抹消登記の委任状は会社届出印(実印)ではない認印でも受理されていることから、電子印影をもって認印とする扱いと解しました。法務局での審査においては、委任状に押された印影は例外的な場合を除いては印鑑証明書と照合するわけではありませんので、電子印影でも印影として認められるとする理解でよいかと思います。
しかし、抵当権抹消の登記原因証明情報となる解除証書等には、これまでどおり法人印を押印するわけですので、今回の事例がどれほど合理化・効率化に資するかは不明なところです。

今後、このように委任状に電子印影が認められる取扱いが増えていくことが予想されます。

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